『甘い水』

 本棚の整理をしていて、つい『甘い水』(松本剛講談社)を読み返す。
 話は始めから予想できる範囲で進んで行くけれど、残酷さの中での感情の揺れが心に刺さる。下巻第十話の夏生と大平の会話で、自分が高校生の頃に感じていた無力感がフラッシュバックして、初めて読んだ時は茫然としていた記憶がある。私には高校時代は遥か昔になってしまったけれど、大人が何を為すべきなのか考えさせられる、良い漫画です。
 あんまり書店では見かけない気もしますが、機会があれば是非。