海がきこえる』(望月智充監督・氷室冴子原作)を観る。
 「東京には空がない」と言ったのは高村知恵子だったかと思うが、このアニメーションを観て「東京には海がない」と思った。もちろん東京湾はあるのだが、人々が生活し憩いの場とする海ではなく、近代工業化された都市の港湾としての存在。
 わたしは福岡市内で中学高校時代を過ごしたのだが、まだ福岡には海があったと思う。福岡は埋め立て地が多く、本来の意味での自然の海ではないのだが、生活の場として海が身近に感じられる都市であったと思う。