さよなら妖精』(米沢穂信)読了。
 先日買った STUDIO VOICE で取り上げられていた本。ミステリだが大仕掛けはない。雰囲気はライトノベルっぽい。
 しかし、これは 1991 年の高校三年が主人公なのだが、作者は 1978 年生まれだから当時 13 か。うーん。
 以下ネタバレ気味。
 1989 年あたりに端を発する東欧の民主化からユーゴの内戦への流れを中学高校の間に体験した 1975 年生まれの私としては、自分の目であのあたりで何が起きてるのか掴みたかったという感情は良く理解できるし、何より自分がそうだった。でもその国の言語を話せるわけでもなく、役に立つ特殊な技能があるわけでもなく、ただそこに行ったから何ができるわけでもないことは知っていた。そういう意味ではこの作品の描いている感情は正しいと思う。そこに本当は何があったかと言われると、返す言葉をすぐには思いつかないけど。しかし、作者が中学の頃からユーゴを追っかけてたとしたら、ませたガキかもしれない(笑)。