Winnyを介して感染するコンピュータウイルスによる情報流出対策について」
http://www.bits.go.jp/press/inf_msrk.html
 この文書自体はまともというか普通の話なのだが、政治くさいね。この内容をこのタイミングで出して、官房長官が“使うな”言うのは、頭どうかしてんじゃないの? という気がする。
 そもそも Winny ネットワークに流れるのは、ウィルスの扱いの問題で、リテラシーが問われている。で、お上がわざわざ出てきて、国の運営と関係ないところに口を出してるという事態が正しいわけないっしょ?
 漏洩するのは、情報流通のコストが低くなっているという基本線があるわけで、そうなれば漏洩も簡単に起きるというのは当然の流れである、ということはさすがに高級官僚レベルでは理解していると思うが、政治家は多分理解してないんだろうな。
 あと、金子勇氏の著作権侵害幇助の裁判にも影響与えかねないから、尚更慎重に行動すべきなんだが多分そんなこと誰も考えてないのかなー。
 Winny にまつわる事件って、情報流通の在り方に関して色々考える機会をくれていると思うんだけど、何か単に匿名だから著作権がどうのこうのっていう話にしかなってなくて、この国は大丈夫かしらん? と思う。Bit 列を匿名でやりとりできるんだから、Freenet だって京都府警的には著作権幇助の要件を満たしてるけど、Ian Clark が訪日したら逮捕するの? とか色々思考実験できてやる価値は十分にあると思うのだけれど。


(まとまった記事が出たので、以下追記)
http://www.asahi.com/politics/update/0315/012.html


 内閣官房情報セキュリティーセンターの山口英補佐官(奈良先端科学技術大学院大学教授)は「乱暴だと言われるのは覚悟の上」と話す。
 多分、担当としてはウィルスの被害を抑えたいだけなんだろうけど、国としてやるべきじゃない。覚悟を持ってるからやっていいわけじゃない。それがどういう風に報道されて、誰が尻馬に乗ってくるかまでちゃんと考えてないとしか思えない。駄目かも分からんね。

 内閣官房は15日夜になって「ウィニーというソフトがそもそも問題だから使うべきではないとしたものではありません」と弁明するコメントを発表した。
 いや、言っただろ、官房長官が。つーかさー、こういえば責任逃れできると思ってる? だったら本当に駄目だろうな。