三十年後

トヨタの労働現場 ダイナミズムとコンテクスト』(伊原亮司)読了。
 自動車絶望工場の現代版みたいな感じ。2001 年 7 月から 11 月くらいまで働いた経験を基にした本。どっちかというと学術書。書かれていることの本質は30 年前と何も変わってない。体を壊すぎりぎりの手前まで肉体を使う仕組みになってる。ある部品が不良品かどうか判断されるのは、別の工場次第で基準が曖昧なのに、作る側で不良品をゼロにしろと言われるとか、無理なことも言われてる。一時期機械化を推し進めていたみたいだけど、設備投資がかさんだり人の注意が足らなくなるとかで、人間が多くの工程に関わるライン構成に戻したそうな。
 作者が入ったラインで重要なのが、一瞬でいろんなことから何をすべきか判断する力みたいなので、年寄りは筋力があっても厳しいみたい。他のラインでも同様な可能性は高いだろうから、歳とった正社員は裏方に回るってこと? 子会社に飛ばしてその会社つぶして人員削減、はしてないのかな?
 しかし、これ読むとやっぱりパワードスーツの必要性を感じるな。