『Self-Reference ENGINE』(円城塔)

 読んだ。SF バカ話だが、バカ話の基になっている科学的考察は比較的正確なものが多い。時間まわりは結構適当だけど。作者の文學界新人賞受賞のバックグラウンドと装丁で本格 SF っぽく見えるが、吾妻ひでおのイラストつけて早川文庫から出せば、一気に単なるバカ話。多分。
 これが、今年の SF 関係の賞を穫るのは分からなくはないけど、サマー/タイム/トラベラーといい今まで積み上げてきたものを消費してばっかりいたらジャンルとしての未来はないような。