『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん『i』 記憶の形成は作為』(入間人間)

 電撃文庫 MAGAZINE に載った短編をまとめたもの。
 しかしこれ細かいネタが各所(各巻)に散らばってるな。枇杷島・長瀬とかは言うまでもなく、遠江は青春男の美容師とキャラ一緒とか(髪での首絞めネタ使ってるし)、追っかけるのも大変。
 話としては春『うそが階段を上るとき』が一番うまいかな。短編ながらミステリ的要素・心理描写共に高レベルな感じ。まあ他は本編の補完という面が主だったりするから比較するのは適当ではないのかもしれないけど。
 最後の「とってももしもにもしかして『壊れてない正しさのある世界なら』」は、高校生活とか内面描写は自伝的要素があるのかねぇ? いや作者にとって経験したことしか元にならないという意味では全ての小説は自伝的要素があると言えるんだろうけど、そういうレベルではなくてもっと直截的な意味で。
 しかし、本名ばらしをこんなところでするとは思わなかった。完結に近いところでまーちゃんの変化と一緒に使うのかと勝手に思っていたのだが。
 9月らしい次巻が待ち遠しい、かな。嘘ではない。