『差別と日本人』(野中広務・辛淑玉)

 二人の対談+辛淑玉の各種事件についての解説。
 野中は政策を決めて走り出すと視野狭窄になってる場合が多かったような。国家国旗法案とか。「差別と権力」のサブテキストとして読むとよいかな。
 事件の解説でハンセン病患者が施設の中に被差別部落出身者がいるのを知っていることを指して『おそらく、過酷な療養所の中でも「××さん、部落の人らしい」という会話がなされたのだろう』と書いているんだけど、違和感が。これって単なる筆者の想像であって、事実は何処にあるかはわからんと思うが。ハンセン病で差別を受ければ、患者同士で出自を話すような深い所に踏み入った会話をするのは十分有り得る話だと思う。事実婚の相手との喧嘩内容と考え合わせると…うーん。