『宇宙ショーにようこそ』(舛成孝二監督)

 基本的には佳作というか良作というか。
 ただ終始いろんな要素の消化に追われすぎだったような印象も。もちっとキャラ減らして各個の描写を深くしていった方がよかったような気もする。
 以下ネタバレ気味。
 違和感があったのは、工場労働現場を写して「奴隷的に搾取されてる」みたいな描写があったことかなあ。行方不明になったあとの労働だから条件いいわけはないけど、工場のラインで単純労働してるだけの画で「だから悪者を止めないと」っていう正義感を持たせるのは無理。もうちっと踏み込んで描かないと、工場のラインで働くことを貶めているように見えなくもない。まあちっと考えれば分かる範囲ではあるけど。
 あと、悪役の行動原理は「おれが支配者になる」というように独裁的でなかったら、現代でも議論になるレベルのことなので、見ていてスカッとするような子供向けということではないと思う。というか悪役の行動原理の描写が甘いような。
 ところどころでかかるスーザン・ボイルの歌が何か違和感が。歌の主張が激しすぎるのかな−。