時をかける少女』(細田守監督)観れり。テアトル新宿。雨の祝日の1回目で、入りは7割くらい?
 よい映画です。以下批判的なことも入りますが、少しでも興味があるのなら観るが吉。
 アニメとして、笑いの部分とストーリーライン、そして主役3人の感情が丁寧に描かれていて良い。
 主役3人の声優というかはそんなに外れてはないけど、本職が声優ではないからかスクリーンの画と必ずしもシンクロしている感じはしなかった。真琴は後半は完全にはまって来てたけど、千昭は前半の変な感じが最後まで印象に残ってしまった…。
 物語の構造を支えるタイムリープとその結果起こる出来事は、上手い。真琴がちょっとしたことで跳んだことによって引き起こされて行く事件の描写に破綻がなく、笑いも鏤められていて良い。

 以下激しくネタバレ。

















 しかし、最後のネタはどうだったんでしょうね。あの復活を真琴の解釈通りに取ると、無限ループありなわけで、物語の構造に破綻を来すから、違った解釈をするのが正しいと思うんだけど、どっかに伏線張ってあったっけ…? 何か、タイムリープに関する筒井版からの解釈の変更(変更自体は正しいと思うけど)に伴う根本的な辻褄合わせをわざとしてないような気もするけど、どうなんだろう。もう一回観るか、絵コンテ集買うしかないか…。

 あと、冒頭の真琴がタイムリープを垣間見た理由と、理科準備室で音を立てたのは誰よ? という部分が放ったらかしな気がするけど、これもどっかに伏線張ってあるのかなあ…? 理科準備室の方は筒井版との絡みで使っただけで、特に意味はないのか?

 感情の描写で気になったのは、真琴は何故功介ではなく千昭を好きと言ったのか、という部分が伝わってこなかったことかなあ。主人公たちの年代の恋愛が(まあどの年代もだが)理屈で片付くものでないのは重々承知しているけど、すっきりはしない。まあ、あと3人で野球場使うのは使用料高いだろとか、「女投げ」しかできない真琴が何故野球をやるのか? とか疑問符がつくことがあるけど、ささいなことか。
 千昭がどの程度未来から来たか提示しないで、最後の台詞を言わせたのは、“個々の好きなように感じて下さい。それがあなたの感性です”ということだろうから、観た人と語り合うが吉。

 うーん、すっきりしないので絵コンテ集買うか…。