フラガール』(李相日監督)観れり。
 常磐ハワイアンセンターの創立の様子を描いた作品。作中では成功が疑われてるけど、公式サイトのルーツ見た感じでは現実には全部が計算ずくの上に成り立っていたのかと思う。九ヶ月前からダンサーの養成してたり、東京で旗揚げ公演してたり。仙台・盛岡に住んでいた小学生の頃、テレビでハワイアンセンターの CM が流れていたような記憶がある。私が過ごした 80 年代は既にハワイは神格化された存在ではなかったけど、今にしてみれば、東北の寒さが故に暖かさへの憧憬が存在していたことが実感できるというか。
 で、映画ですが、良い。今年観た中では一番かもしれぬ。ちょっと演出過多な気もするけど、破綻なく収まってる。欠点は観客の感情が盛り上がった後にラストのタヒチアンが来ることかなー。序盤から中盤にたたみかけるところは素晴らしい。松雪泰子演じるダンスの先生が男風呂に殴り込んでいく一連のシーケンスとか、蒼井優演じる女子高生が母親と喧嘩するところとか、良いです。ネタバレになるので詳しく書けないのがもどかしいくらい。
 しかし、蒼井優のよいところは、ダサい格好させてもそれなりにスクリーン映えしてしまうところのような気もする。