目を見よ

 ドキュメンタリーといえば森達也が『A2』の撮影のときに、麻原の子供たちの就学問題を論じてる学校関係者との面談か何かで、議論の最中に「麻原の子供だから〜」って決めてかかった内容を喋る関係者に撮影を止めて、“何故あなた達は、その議論をするのに今ここにいる子供たちを見ないのですか?”と言った(記憶だけで書いているので内容は不正確かも。確認とれたら直します)という話が印象的だった。確か A2 撮影日誌に収録。

(以下、2007/03/07 追記)
長いけど端折ると何なので、該当部分を A2 撮影日誌から全部引用


「あなたが今、不気味だと言い放った子供たちはここにいます。ここでずっと『ドラえもん』の本を読んでいます。見えますか。見えますよね。不気味だと大声を張り上げるのなら、まずその前に、この子供たちをちゃんと見つめたらどうですか。この子たちは今日ここに何をしにきていると思いますか。みんなに見つめてもらうために来ているんです。ところがあなたはさっきから、この子たちに視線を向けようとすらしていない。オウムの犯罪性とか危険性とか、あなたはそんな言い方をさっきからずっとしているけど、主語はもうオウムじゃない。この子供たちです。学校に通って友達を作ることさえできないこの子供たちを、僕らは主語にして考えるべきなんです」