続編

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん2 善意の指針は悪意』(入間人間)読了。
 前作がああいう終わり方だったので続編が出るとは思ってなく、買ったときもあまり期待してなかったが、これはいい。実際作者も続編を想定していなかったことをあとがきで書いているが、しっかり続編としての体をなしている。
 前作と同じでみーくんの一人称視点で書かれているのだけど、漫画・アニメ・映画・小説からの小ネタを織り交ぜながら虚実入り交じった軽妙な文章で引っ張っていく。もちろん付け足し感はあって、ある重要人物の設定は付け足しだよなあとは思うけど、文章の巧みさでカバーできていると思う。大塚英志のいうところの純文学から離れたところにある小説の一つなわけだが、この描写の的確さというか思考の経路の描写の整然さは、特筆もの。
 終盤に謎が収斂していくところは前作と一緒で読ませてくれる。
 前作が好きなら買って損はしないと思う。二冊買ってもいいかもしれない。嘘だけど。
 しかし、この様子だともう一冊出してとりあえず終わらせるような感じかな?