『投資銀行バブルの終焉』(倉都康行)

 サブプライム問題でリーマンやソロモンといった投資銀行や他の商業銀行がどう考えどう行動してきたかを、東京銀行から外資へと渡り歩いた著者が解説というか述懐した本。
 色々本音っぽい部分が覗けて面白かった。格付け会社の位置づけとかグリーンスパンへの毀誉褒貶とか。


 所詮、金融に本当の意味での信用などないのではないか。信用というのは単なる幻想であって、現代金融はそれをカモフラージュしているだけではないのだろうか。カネを貸すにも、信用したフリをしているだけではないのか。信用リスクというのは、本来的には人間の本性に属するリスクそのもので合って、それを管理するというのは偽善行為に過ぎないのではないか。
 もっと突っ込んで言えば、金融が住処としている通貨への心情は、信用ではなく信仰であると読み替えねばならないのではないか。...