『落馬脳挫傷 破壊された脳との闘いの記録』(石山衣織)

 落馬負傷した石山繁騎手の妻が書いた闘病というか看病記。サイコーキララの主戦だった騎手。2007 年 2 月から 2008 年 4 月あたりまでの記録。断片的な日記に後からいろいろ付け足されている。ライターも入ってるのかな?
 瀕死だったところから徐々に回復していく姿は何とも言えず。人間はもろいなあと思うと同時に回復力に驚嘆もする。記憶が不完全ながらも会話して自分の身の回りの世話ができるところまでは回復しているけど、視力の問題で騎手はまず無理ということらしい。サラブレにごく最近のインタビューが宣伝で載ってて、それだと競馬中継で誰が乗ってるか分かっても、その後に顔が写っても誰か分からないらしい。単なる損傷した部位の問題なのか、それとも負傷以前の意識がそうさせているのかは謎。
 病院には少なくとも二年以上かかる長期戦と言われてるみたいだから、まだ闘いはこれからなのかな。本人は調教師への転身を望んでいるようですけど、記憶力が戻らないと厳しいんだろう。けど、朝四時に起きてリハビリと勉強する石山には良い方へ向かってほしいとは思います。