『とらドラ10!』(竹宮ゆゆこ)

 全然感想は書いてなかったが、2が出たあたりから読んではいた。途中で切ろうかと思ったけど、惰性で最後まで読んだ。
 以下ネタバレ全開。


 話としては大河の親の話のまとめ方が適当な以外は力業で押し切ってるけど、これでいいの?という感じがする。竜児は自分に擦り寄ってきた大河を好きになって、大河は一緒に過ごすことが多かった竜児を好きになったという構図だけど、共に自分の内面をきちんと見返した上での感情じゃない。恋愛なんてそんなもんといえばそれまでだが、竜児と大河がひっつくという前提ありきですべて構成してるから、他のキャラの感情と行動が完全に戯画化されてる。単なるラブコメなんだからスルーしろっていう話なんだけど、それなりに部数出てアニメ化もされてて、ティーンに影響与えるだろう作品がこれでいいのかなあとは思った。大河と同じように自分勝手な親に振り回されてる子供に何も提示できてないし。