『ガールズ・アンダーグラウンド』(秋口ぎぐる)

 ある病気の重症者が社会的に上に立つという逆転現象が起こっている都市で、反政府運動に関わる少女達を描いた作品。SF ちっく。
 まあ雰囲気とかは好きなんだけど、もう一歩かなぁ。まあ面白い方には入るとは思いますけど。
 以下激しくネタバレ。



 大ネタが A ランク=重症者・B ランク=中程度の症状・C ランク=軽症者がいて、ランクの違うもの同士での子供は重い方になる、というのが嘘で、実際には軽い方になり、しかもその孫世代はすべて軽症者になる、ということなんだけど、とりあえずホモサピエンスと同等の生き物の話とすると、遺伝学的にありえなくない? 遺伝だけで決まるわけではなくて免疫の話なのかもしれないけど、どっちみち辻褄合わないような。AX x BZ = (AB | AZ | BX | XZ) だから、発現が A > B > C だと A or B or C。住民を一時的にしても納得させられたってことは重症者は全員 AA のはず(じゃないと AxA で B or C が生まれる)。A < B < C だと AA x BZ = (AB | AZ) だから子供世代に矛盾はないけど、孫が全部軽症になるっていうのはない。父側の免疫は必ずしも受け継がれないので、これも変。まあ小説を面白くする為にわざと踏み外したのかもしれないけど、なんだかなあという気がする。グループ SNE なのになあ、という感じ。