空の境界

空の境界』(奈須きのこ)読了。講談社ノベルス版。基礎知識というか教養として読んでみた。
 新伝奇ってことですが、何か違うような気もする。基本的に思考と言葉の上での遊びというか。結局話の筋に合わせて登場人物に喋らせてるというか、喋らせたいことに話の筋合わせてるというか。確か“絶対的な美貌”みたいな描写があったんだけど、それって何よ?みたいな。法螺の部分と、現実を元に構成する部分のバランスが悪いような。
 比較するのは正しくないんだろうけど、例えば小川一水の SF 読んでる時に AI とか人間の感覚と記憶の話が出てきても「まあそうだよな」という描写で安心感があるけど、奈須きのこは「それって何て妄想?」というような。
 若者には受けるような気はしなくなないが、作者と世代が近いので何ともやり切れない感じ。