『音律と音階の科学』(小方厚)

 久しぶりにブルーバックス読んだ。
 近代のドレミで構成される音階が、どういう理論に基づいて作られているか、というのを解説した本。
 オクターブとか一度とか平均律とかが、周波数と心理効果で解説されてます。個人的に長年疑問だったことが分かったというかある程度は納得できた。が、音楽を支えるテクノロジーというか技術が進歩している以上、別に五線譜とか平均律とかに縛られる必要はないと思うし、そっちが進むべき道なんだろうと思う。昔小室哲哉が“五線譜で人間が気持ちよく感じる組み合わせは限られてるから、テクノロジーで進化させて新しい音を作らないといけない”的なことを言っていたと思う。小室の言っていたのは音楽の作りではなくて、シンセの音色の話だったかもしれない。でも大方は言っていることは正しくて、五線譜の組み合わせは限られてて商業的にメロディーが大量生産されている中で、作るものが誰かが昔作ったメロディーでない完璧なオリジナルだ、ということがどれだけあるのか?という疑問はやっぱりあるわけで。人間の演奏できるスピードとか楽器の物理的大きさとかの制約が外れれば別に一オクターブの間を何分割しようが構わないというか、もっと自由であってほしいものです。