『死図眼のイタカ』(杉井光)

 伝奇もの。というか、異世界に憧れる中高生に向けた、現代の世界にちょっと違った世界があってティーンの主人公がもがき苦しんで活躍するよ系。ほぼ First Person Novel。
 あとがきで作者が書いているがヒロインというか実質主人公のイタカのキャラがありきらしく、突っ走ったようなところがあって、バランスが悪く感じた。まあこれが一作目でキャラ紹介的な物語だから、という可能性もあるので、シリーズが続いて、播いておいた種が実を結べばいいとは思うが。
 一迅社文庫は初めて買ったが、フォントがあれ。平成明朝系みたく見えるというか、横書き用のフォントを縦書きに使っているだけというか。フォントや紙質まで気を使っていると思われる電撃文庫に比べるとダメ感が。