『ポイポイポイ』(桑島由一)

 集英社スーパーダッシュ文庫なのでいわゆるラノベ枠だが、表紙と口絵が実写(をレタッチしたもの)で雰囲気は違う。しおりも独自のもので全体に気を使ってるのがわかる。題材は金魚すくい
 以下ネタバレ注意。

 構成は普通の青春小説なんだけど、最後、寅次は病気が消えて生き残るのが、全部台無しにしてる。それまでのテーマは、死を克服することではなくて、間近に迫った死に対してどうやって生きていくかだったのに(その為に血を吐くとか具体的な描写したはず)、最後に唐突に直っちゃいましたって言われても、何だそれという感想しか出てこない。舞台の描写とかは嫌いではないだけにやるせなさがあるというか。